短期間のみ在職することが当初から予定されている法人役員等が、給与の受取りを繰り延べて高額な退職金を受け取ることにより、税負担を回避する行為を防止するために、短期間勤務に対し支給される退職金について課税方法が見直されました。
役員等としての勤続年数が5年以下の者が支払を受ける役員退職手当等に係る退職所得の計算について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置が廃止されました。※1
(改正前)
退職所得 = (収入金額-退職所得控除額)×1/2
(改正後)
◆勤続年数5年以下の役員等
退職所得 = (収入金額-退職所得控除額)
◆上記以外の者
退職所得 = (収入金額-退職所得控除額)×1/2
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数 |
20年超 | 70万円×(勤続年数-20年)+800万円 |
※1 退職所得の収入金額に算入する時期
株主総会等で役員退職手当等の支給に関する決議がいつ行われたかがポイント。
例えば、24年12月以前に行われた支給決議によって支給金額が具体的に確定していれば、支給が25年1月以後に行われても、2分の1課税廃止の適用は受けません。
役員等とは次に掲げる者をいいます。
※2 法人税法施行令7条の「みなし役員」も含まれます。
例えば、取締役として正式に就任してから5年以内に退職していても、その前期間でみなし役員に該当していれば、その期間も勤続年数に加算されます。
平成25年分以後の所得税について適用されます。
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