電子帳簿保存法の2020年改正で、電子取引の記録に関する要件が緩和されました。
改正前
改正後
タイムスタンプとは、ファイルに付加される特殊な機能を持つデータで、特定の時刻にその電子データが確かに存在し、それ以降に不正な改ざんがされていないことを証明する技術のことです。タイムスタンプ機能の利用は、その機能を提供する業者から有料で利用することになります。
改正により、請求書など電子データを受け取った受領者側が、自由に改変できないクラウド会計・経費精算サービス等を利用している場合は、受領者側でタイムスタンプを付与する必要がなくなりました。また、発行者側でタイムスタンプを付与した電子データが送られてきた場合、受領者側はそのデータを保存すればよくなりました。
これにより、タイムスタンプを付与するための専用のサーバーを設置することなどに経済的理由から対応できない企業もペーパーレス化が推進されることが予想されます。
今回の改正は、紙の領収書や請求書等の書類が対象ではありませんので、現金や振込で経費を支払いした場合の領収書はこれまでどおり紙の保存、またはタイムスタンプの付与が必要となります。
電子帳簿保存法を利用するためには、電子保存を開始する日の3か月前までに、税務署へ事前申請が必要です。なお仕訳帳や出納帳などの帳簿や紙の領収書などの書類を電子保存する場合には税務署長の承認が必要ですが、電子取引の取引情報については(検索機能の確保など一定の保存要件が有りますが)税務署長の承認は不要です。
Copyright © 2024 Shimadakaikei All Rights Reserved.