日本は災害大国だ、という言葉をこれまでに何度も耳にしました。主な災害は地震、噴火、台風、豪雨などがあり個人だけではなく地域全体で避難訓練を行うことも少なくはありません。その中で、中小企業が災害に備えることを促す促進税制があります。
中小企業が自然災害に備えた事前対策を強化するための設備投資を後押しするため、租税特別措置法にて措置されたものです。青色申告書を提出する中小企業者又は個人であって、中小企業等経営強化法の認定を受けた中小企業者が、事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画に記載された対象設備を適用対象期間内に新たに取得等をして事業の用に供した場合に、特別償却(18%)の税制措置を受けることができるものです。
【対象設備】
減価償却資産の種類 (取得価額要件) |
対象となるものの用途又は細目 |
機械及び装置 (100万円以上) |
自家発電設備、浄水装置、揚水ポンプ、排水ポンプ、耐震・制震・免震装置等 (これらと同等に、自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有するものを含む) |
器具及び備品 (30万円以上) |
自然災害等の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する全ての設備 感染症対策のために取得等をするサーモグラフィ |
建物付属設備 (60万円以上) |
自家発電設備、キュービクル式高圧受電設備、変圧器、配電設備、電力供給自動制御システム、照明設備、無停電電源装置、貯水タンク、浄水装置、排水ポンプ、揚水ポンプ、格納式避難設備、止水板、耐震・制震・免震装置、架台(対象設備をかさ上げするために取得等するものに限る)、防水シャッター等 (これらと同等に、自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有するものを含む) |
この制度を利用するためには事業継続力強化計画を策定する必要があります。これらは自社のリスクを認識し、防災・減災対策の取り組みを記載した上で、将来的な災害対策を検討するものです。この計画に記載する項目は以下の通りです。
(1)ハザードマップ等を活用した自然災害リスクの確認方法
(2)安否確認や避難の実施方法など、災害発生時の初動対応の手順
(3)人員確保、建物・設備の保護、資金繰り対策、情報保護に向けた具体的な対策
(4)訓練の実施や計画の見直しなど、事業継続力強化の実行性を確保する取り組み等
(1)適用期間
令和元年7月16日~令和7年3月31日までの間に事業継続力強化計画や連携事業継続力強化計画の認定を受けた事業者が、計画の認定を受けた日から同日以後1年を経過する日までに、計画に記載された対象設備の取得等を行い事業に使用した場合に、特別償却18%の税制措置を受けることができます。
(2)適用期限
令和7年3月31日までに事業継続力強化計画の認定を受け、認定を受けた日から1年を経過するまでに、計画に記載した対象設備を取得等して事業の用に供した場合に適用されます。
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