日本は世界的にも地震が多い国と認識されており、実際に令和6年1月1日に発生した能登半島地震では多くの方が被災されたことは記憶に新しいです。日本人にとって他人事ではない自然災害ですが、もし被災してしまった場合に税金面での優遇措置があります。もしもに備え、税金の取扱い等に関しご紹介します。
被災時に住宅や家財などに損害を受けた場合は、確定申告を行うことで2パターンの税金免除のどちらか有利な方法を選択し適用を受けることができます。
ⅰ)雑損控除(所得税法上)
住宅や家財を含む生活に通常必要な資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。雑損控除の特徴は震災、水害など自然現象による災害だけではなく、盗難、横領など人為的な災害についても雑損控除の対象となります。
ⅱ)災害減免法
災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除きます。)がその時価の2分の1以上で、かつ、災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下の時において、その災害による損失額について雑損控除の適用を受けない場合は、その年の所得税が軽減されるかまたは免除されます。
雑損控除と災害減免法ではいくつか大きく異なる点があります。そのため、被災時の状況に応じてどちらが適切かを判断することが必要です。
災害により住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して税金の軽減措置以外に国による補助金や融資の制度があります。もしもの時にはうまく活用することが大切です。
1 所得税法(雑損控除) | 2 災害減免法 | |||||||||
損失の発生原因 | 災害、盗難、横領による損失 | 災害による損失 | ||||||||
対象となる資産の 範囲等 |
住宅や家財を含む生活に通常必要な資産 | 住宅又は家財の損失額が、その価額の2分の1以上である場合 | ||||||||
控除額の計算 または 所得税等の軽減額 |
控除額は次の(1)と(2)のうち、いずれか多い方の金額です。 (1)損失額-所得金額の10分の1 (2)損失額のうちの災害関連支出の金額-5万円 |
軽減額等は次のとおりです。
|
||||||||
参考事項 | ・その年の所得金額から控除しきれなかった場合は翌年以後3年間に繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。 ・災害関連支出の金額に係る領収証は、申告書に添付するか、申告書を提出する際に提示する必要があります。 ・災害関連支出のうち、(1)災害により生じた土砂などを除去するための支出、(2)住宅や家財などの原状回復のための支出、(3)住宅や家財などの損壊・価値の減少を防止するための支出については、災害のやんだ日から1年(やむを得ない事情がある場合には3年)以内に支出したものが対象となります。 |
・原則として損害を受けた年分の所得金額が、1,000万円以下の方に限ります。 ・減免を受けた年の翌年分以降は、減免は受けられません。 |
参考資料:国税庁
Copyright © 2024 Shimadakaikei All Rights Reserved.